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ヘアクセスできる構造物とし、併せて海の生物の生態環境を考慮した構造材質(ヘッドランド及び人工リーフの被覆ブロック)を選定し、水産協調型の魚介類の蝟集効果が期待できる計画とした。なお、ここでは高齢者及び障害者を対象とするヘッドランドのあり方を示す事例として紹介するに止め、設計諸元及び構造物設計詳細、被覆部材詳細設計は省略し、Fig.-5に計画図を示す。
1)ヘッドランドの平面計画への考慮事項
○自然景観に配慮し、転石や擬岩を配置する
○高齢者や障害者に配慮し砂浜に降りることができるスロープを設ける
2)ヘッドランド横断計画
○周辺の景観を阻害しないように配慮する
○アクセシビリティを高めるように天端舗装に配慮する
3)ヘッドランド縦断計画
○修景面に力点を置き擬岩をバランスよく配置し自然度を高める工夫を行う
○既設のボードウォークからのアクセシビリティを高めるよう配慮し、トンボロ上に新設のボードウォークを配置し、社会的弱者がヘッドランドヘのアクセスを高める

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Fig.-5 Plan of Hiratsuka Headland

5. おわりに
我が国の海洋性レクリエーション施設は、いまだ施設のバリアフリーが主要な課題となっているが、それすら考慮されていないのが現状である。欧米の海洋性レクリエーション施設は、バリアフリーからユニバーサルヘと発想の転換がなされてきており、将来の超高齢化社会を考慮したとき我が国も早急に対応しなければならないであろう。今後、我が国の海岸施設をいつでも、誰でも、安全に利用できるようにするためにはユニバーサル・コースト整備という概念が必要であろう。
1)アクセシビリティの確保
○海岸道路のバリアフリー化(横断道路)
○後浜の移動アクセスの確保と駐車場の整備
○前浜の海へのアクセス整備と安全な水域の確保
2)バリアフリー利便施設の整備
○専用駐車スペースの確保
○バリアフリーの便所、シャワー施設の整備
○バリアフリーの休憩所及び飲食施設の整備
3)ネットワークと情報センターの整備
○案内情報へのアクセシビリティの高度化
○緊急時の対応マニュアルの整備
○ボランティアケアーのサービス・システム化
○各種補助機器の整備と貸出し制度の整備
○施設間ネットワークの整備

 

 

 

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